2019年08月18日

ペーパークラフトモデルでのテクスチャと仕組み

ペーパークラフトモデルに色や柄を付けるには?

 モデリングで色味のない形だけ作ってもリアリティーがありません。粘土をこねて形を作っただけです。ペーパークラフトでは印刷用紙で色や質感は変える事ができますが、キャラクターの目や服の模様等は印刷で再現する必要があります。

モデリングソフトは形を作るだけでなく、モデルに色や質感を付ける機能があります。ポリゴンを木材や石のように見せたり、キャラクターなら目や髪を描き入れたり。光の入り方、影の入りかた等、モデリングソフトによって、それらをテクスチャやチャンネルやマテリアル等様々な機能で再現できます。

 しかしそれの殆んどはCG空間やゲーム内だけでの見え方です。実際に印刷して作るペーパークラフトでは表現が限られます。現在ペパクラデザイナー4で色や柄を表現できる方法は

1.ポリゴンに基本色を付ける

how_texc1.gif

2.テクスチャ画像の貼り付け

how_texc2.gif
この2つに限られます。

テクスチャ画像を貼り付ける仕組み

 3Dモデルは立体的ですがテクスチャ画像は平面です。ではどうやって貼り付けるか?それには手順が必要になるのです。UV展開(UVマッピング)です。

立体的なモデルに平面画像を貼り付けるには3Dモデルを一度、展開図の様に平面にする必要があります。これをUV展開と言います。

how_uv0.jpg
開いたUVマップと画像を座標として対応させ、テクスチャを貼り付けられるようになるのです。

絵を描く事とテクスチャ作成で異なる事

 単純にキャラクター絵を描いてテクスチャの完成!!・・・では無いのです。UV展開の制約に合わせてテクスチャを描かなくてはならないのです。

    1.UVの切れ目
    2.UVの歪み
 3Dモデルを展開図にする場合、必ずUVの切れ目が発生します。切れ目を境に模様を描こうとすると・・・
how_uv1.jpg
境で画像が切れてしまうのです。切れ目に対して正確に絵柄を描くのは難しいです。

 単純に展開図として展開してしまうとUVの切れ目だらけで、とてもテクスチャを描くのが難しくなってしまいます。 そこでUVマップは描きやすいように切れ目を少なくする必要があるのです。そうする為にはUVマップ形状を変形させてでも、辺をくっつけて開かなくてはなりません。

 今度はどうでしょうか?UVの切れ目が無くなりましたが、UV形状を変形させるとテクスチャ画像が歪んでしまいました!

how_uv2.jpg

 切れ目も無く歪みのないUVマッピングは不可能なのです。ある程度UVの開き方とテクニックで回避できますが、テクスチャ作成には必ずこの問題が付きまとうのです。また、UV展開は一回やって成功する場合は少ないと思います。一度試しに描いてみて、描きにくい場所を修正しながら進めていかなくてはなりません。

 描き方も立体を平面に起こしているので、アジの開きのような絵を描かなくてはならない所もテクスチャ描きの特徴です。反対側や内側等も考えて描く必要もあります。

ペーパークラフトモデルのUVマッピングの特徴

 UV展開は基本的にポリゴンが多くポリゴンの大きさが均等であるモデルの方がUVの歪みが少なくテクスチャが描きやすいです。

 しかしペーパークラフトモデルはポリゴン数を少なくして作るローポリゴンモデルです。そしてペーパークラフトの構造要素が加わるのでポリゴンの大きさもバラバラになりがちです。UV展開での歪みが特に強くでるでしょう。

 ローポリゴンモデリングの書籍ではゲーム用途が多い為、テクスチャの枚数や解像度制限があったりしますが、ペーパークラフト用途のモデルではテクスチャ解像度と枚数は、とくに制約がないので自由です。用紙に印刷できれば内訳なんて関係ないんです。もちろんテクニック等は大いに参考になります。

 私が作っているモデルは10cm〜30cm位ですがテクスチャは、顔、髪、飾り等に分けたり分けなかったり。解像度も最小は512〜3072dpiの範囲でバラバラです。高解像度になる、枚数が多くなるとパソコンが重くなったりするので、注意は必要ですけどね。

pisuke_all_texc.jpg

 現在ペパクラデザイナー4で設定できるテクスチャ画像はUVマップに対して1枚のみです。透過マップやバンプマップは使えません。

posted by くじら at 14:46 | Comment(0) | ペパクラ設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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