2019年05月06日

ペーパークラフトから始めるキャラクターモデリング

 わたしは3DCGソフトで形を描いて「ペパクラデザイナー」と言う展開図作成専用ソフトで作っています。他にも方法はありますが、作り方の流れと、PCソフトなんかを説明します。はじめて3DCGに触れる方向けです。

3DCGから展開図を作るまで

3DCGと聞いて難しそうって人は、実際に紙に展開図を描く事をイメージしてみてください。

サイコロみたいな形状なら、紙に向かって少し考えたら展開図は描けるかもしれません。しかし、キャラクターなど複雑な形状になるほど展開図は難しくなっていきます。色や模様も自分で描かなくてはなりません。しかも、一点もので失敗もできませんね。(それも味があって良いのですが)

ここで難しいのは立体の物を「平面」で紙に描かなくてはならないことです。

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では、3DCGソフトで展開図を作る方法はどうでしょうか?まず大きく違うのが、先に「立体」を作ってから展開図を考える事ができると言うことです。そして、展開図を描き出すのもPCソフトで計算要らず、画面上の形から確実な展開図を作る事ができるのです。
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 形が複雑なキャラクターも立体形状で確認ができます。どうでしょう?展開図から形を考えるより遥かに考えやすくありませんか?データなら紙を切る前に何度でもやり直しができます。紙に展開図から描くより簡単だと感じませんか??
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 つぎに3DCGで形を作る仕組みに付いてサラッと説明。3DCGで形を作る事をモデリングといいます。「ペパクラデザイナー」で読み込めるモデルデータはポリゴンモデルです。ポリゴンとは複数の点を繋いだ「面」の事です。この面を合わせて立体を作っていくのです。
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ポリゴンで立体を作るモデリングソフトをポリゴンモデラーと言います。ポリゴンだけでは形の情報しかありません。これでは物足りないので、ここに柄や絵の情報を加える要素の1つが、テクスチャです。画像をシールのようにモデルに貼り付けるイメージに近いです。
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モデリング方法や絵柄や質感を加える方法はいくつか有りますが、ペーパークラフトにはこれだけの知識で十分です。

できた3Dデータを「ペパクラデザイナー」に送り、展開図を作ります。ペパクラデザイナーの主な作業は3Dデータを展開図にする事と、工作できるように「糊代」を作ることです。
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 3Dソフトの操作を覚える必要がありますが、まず興味があるなら触ってみましょう!3Dソフトもフリーで使えるものもあります。チャレンジや悩む事も作品作りで重要な要素。慣れてしまえば楽しいものですよ^^

3DCGを始めるに必要なもの

 3DCGってお金が掛るイメージは有ると思います。パソコンの性能も必要だとか。しかしそれは、映画や3Dゲームのような物のの話であって、ペーパークラフトではそこまでお金を必要としません。パソコンにも性能はいらないはずです。(簡単なゲームが動く程度)初期投資は「ペパクラデザイナー」だけで始められます。
 その他ペイントソフトとかはフリーソフトで十分なはず。プリンタやピンセットとかの用具への初期投資の方がお金掛ってたりします。

3DCGの用語

 ペーパークラフトモデルであればそこまで深い知識はいりませが、3DCGには専門用語があります。最初にこれだけは!と言うものだけをざっくり説明。

ポリゴンメッシュポリゴンの集まりからなる形
ワイヤーフレームポリゴンメッシュから面を無くして、線だけにした物
テクスチャマッピング作った形(モデル)へ、テクスチャなどを貼り付ける作業
UVマップ(UVマッピング)モデルとテクスチャを貼り付けるには、「PCに何処へ?」と言う指示(マップ=地図)が必要です。この作業をUVマッピングとか言います。
オブジェクト良く出てくるけど、説明しろと言われると難しい困った単語。とりあえず、物・対象と解釈すれば言葉がつながるよ!
レイヤー(レイヤー機能)直訳すると層です。1つの表現をするのに複数の要素が重なって再現されます。それの段階構造です。言葉で説明するより使って慣れろ!って感じです。とっても便利。
マテリアルテクスチャは絵や柄を表現するけど、マテリアルは質感、下地等を意味します。ソフトによっては材質グループの意味合いが強いかも。

 説明を読み進めて見て、解釈が合わないところを調べると良いです。色んな意味合いが重複しているものも多いので。

ペーパークラフトで使うPCソフト

 形を作るモデリングソフトと展開図を作るペパクラデザイナーがあれば、モデリングが始められます。柄・絵を描く為に「グラフィック・ペイントソフト」があれば、テクスチャ作成が楽です。

複数のパソコンソフトを載せていますが、フリーソフトで代用できたり、作りたい物で、最終的に使いやすいものを選んでいってください。

 最初は「ペパクラデザイナー4」と「メタセコイア4」がオススメです。ペイントソフトは数あるので、始めてであればフリーソフトから触ってみて、予算に余裕ができたらペンタブレットの導入を考えてみてください。

3DCGソフト
Mayaや3Dmaxなどプロツールは必要ありません。ペーパークラフトで重要なのは形を作るモデリング機能と、絵を貼り付けるUV機能とテクスチャツールくらいです。複雑な形状編集も必要ないのでフリーソフトでも十分です。多機能ほど操作にクセが強い傾向にあるかも
六角大王LT
私が最初に覚えた3DCGソフト。旧「ペパクラデザイナー3」パッケージ版に付いてました。ヘルプも充実していて操作も分り易い部類です。
基本的なモデリング機能は十分ですが、UV編集。ローカル座標。ファイル形式等、明確な弱点があります。
ポリゴンベースのモデリングソフト。パッケージ版の「ペパクラデザイナー4」にバンドルされ無料版の機能だけでも十分使えます。
操作は分り易く、モデリングに絞った機能なので初めてでも使いやすい。今、ペーパークラフトモデリングを始めるならコレ!

Blender

これが無料なのか!と言うほど多機能で、なんでも出来てしまう総合CGツール。
多機能ゆえに操作をしぼっての学習がよいかも。私は挫折しました。

CINEMA4D

映像関係に強いCGツール。密かに学習中。このソフトでモデリングからテクスチャ作成まで行う事ができます。
テクスチャを描く上での制約、UV作業から解放され、効率化とクオリティアップが望めます。
しかし、個人で持つには高価なものです。
展開図作成ソフト
今のところ「ペパクラデザイナー4」一択。
唯一無二の3Dモデルから展開図を作成してくれるソフト。これが無かったら私はペーパークラフトに出会ってなかったかも。
簡単な操作で展開図作成、のりしろ作成が主機能。画像・PDFで書き出せたり、展開図の線情報も出力できたりします。
パッケージ版では上記3DCGソフト「メタセコイア4」が付いてます。
残念ながらmac版は出てないです。windows専用となります。
グラフィック・ペイントソフト
3Dモデルに貼る絵(テクスチャ)を描く為のソフトです。単色でいいなら必要はないですが、表現が乏しいです。「windowsのペイント」でも描けますが・・・専用のドロー・ペイントソフトを見つけた方が100倍幸せ。一番選択枝が多く、フリーでも有料でも自分の好きな物を探しましょう。扱いやすさ、書き味など様々です。
マウスでの操作では限界があるので、必然的に「ペンタブレット」の導入になると思います。ペンタブも手頃いい値段で手に入るようになりました。
「CLIP STUDIO PAINT」今はこれに落ち着きました。豊富なツールと素材。カスタマイズ可能な筆。ユーザーが多いので情報も多く、学びやすいです。

マンガは描かないからPROで十分だけど、なにげにPDFが読み込めるのはEXだけ。月額500円でEXにアップデート出来るプランがあります。

ただし、テクスチャだけなら多機能すぎるのでフリーのペイントソフトとペンタブの組合せが最初はオススメですね。
ペイントツールSAI
少し前まで使ってました。古くからあるペイントツールです。絵を描くことに特化したシンプルな機能と、描き味が気に入ってます。
情報も多く学びやすいです。「SAI2」の完成が待ち遠しい。
ファイヤーアルパカ
フリーソフト。ブラシ機能やPSDファイル対応など、高機能。
フリーソフトの中ではオススメ。
Photoshop
画像編集の世界標準。候補には上がりますが、あえて最初に選ぶべきじゃないかも。
CADソフト
紙に描くように展開図を描く場合は2DCADを使います。私は3Dモデルを重視するので、補助的に使用します。最初に覚える事はないですが、CADにしか出来ない表現もあります。またキャラクターでも機械要素などは3DCADのほうが楽に出来たりします。
古くからある、日本製の2DCADソフト。独自形式とDXF形式が扱えます。書籍もたくさんあります。本屋にいえけば必ずあるかも。簡単な製図の知識が有れば、理解も速いかも。
操作はCADに慣れてくれば分り易いです。
posted by くじら at 01:16 | Comment(0) | ペパクラ設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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